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CICLORE Gravel / Urban New series story

2025.08.06

Around New seriesのコンセプトは一番身近な相棒「Buddy」となります。20インチのミニベロは漕ぎ出しが軽く街中で扱い易いサイズとなり、気軽に跨って走り出せばいつもの見慣れた街の中に新鮮な景色の発見や新たな仲間との出会いをもたらしてくれるでしょう。また週末には小さな冒険を求めて郊外に連れ出せば様々なシーンを共にしてくれる正に相棒 “Buddy” なバイクです。今回はそんなBuddyなバイクの誕生ストーリー、拘りポイントを皆さんに共有させてください。

<オリジナルデザインへの敬意>

Around New seriesはOLD MTBから大きなインスピレーションを受けてデザインされました。


かつて70年代の終わりに自転車を山に持ち込みトレイルやダウンヒルを楽しむ若者がアメリカ西海岸に現れ、後の時代にマウンテンバイクという新しいカテゴリーの自転車を生み出します。ヒッピーやDIYカルチャーに精通していた彼らは既存のカテゴリーを超えて自由な発想で遊びを生み出し、この中で生まれたマウンテンバイクは90年代前半までの車体をOLD MTBという特別な存在として現在、世界中の愛好家に再注目されています。

70年代マウンテンバイク黎明期の写真、ビーチクルーザーやBMXなど様々なタフな自転車が集まりその後のMTBの発展に繋がって行く。

90年代Mongoose製MTB OLD MTBとしては最期の世代となり現代的な雰囲気も漂う。

ファッションの世界は一定の周期を持って流行が繰り返されますが、REは自転車に於いてかつての銘品や失われていたデザインを復活し採用する事に積極的に取り組んでいます。それは単純なノスタルジアではなくかつて生み出され十分な機能性に加え美しさを纏うオリジナルプロダクトの再評価と再デザインを目指しているとも言えます。このアプローチはREが大切に思う「ロングライフデザイン」へと繋がるリバイバル運動と言えるかもしれません。

<Loop Tail>

今回Aroundシリーズに加わったGravelとUrbanには共通のフレームが採用されており、そのデザインには初期のマウンテンバイクからインスパイアされたディテールが取り入れられています。その一つがLoop Tail、一本のパイプをまげて作られた一体型のシートステーとチェーンステーとなります。

Loop Tailが開発された80年代後半から90年代前半当時、フレーム素材はクロモリやアルミが中心であり、悪路で車体への負担が集中するリアエンドの形状は各社が様々なトライをしていた時代でした。何社かのブランドはBMXでは一般的であったLoop TailをMTB車体に取り入れ強度の確保を行いました。

伝説的なYETIのレーシングMTB、EASTON製パイプにLoop Tailが採用されている。

AroundのNewシリーズは品質の高いReynolds社製のクロモリ素材を採用しており、乗り心地と強度確保を両立する方法を模索する中でLoop Tailの復活を目指すことになりました。スルーアクスルやポストマウントディスクブレーキと最新のスペックを取り入れながらOLD MTBの様なLoop Tailと合わせるデザインは専用設計と様々な改善を必要としましたが、最終的に強度、乗り心地、ビジュアルどれをとっても素晴らしいフレームが出来上がりました。

Around new seriesのデザインアイデアスケッチ、初期のアイデア段階ですでにLoop Tailが検討されていた。

<最適なパッケージ>

Gravelで採用されたカラーはフィールドの中で映えるOLD MTBを意識したカラー、Urbanはカジュアルウェアとのコーディネートを可能にするトラディショナルかつ洗練されたカラーを採用しました。

それぞれの特性に合わせてGravelでは上位モデルのTRP製ブレーキを採用し10速仕様となるスポーツ性能を追求、Urbanはマッドガードとスタンドを標準装備しサドルやグリップもレザー風のアイテムを採用することでカジュアルな街中ライドに最適なパッケージとなりました。



Gravel、Urbanどちらにも市販のフロントバックアダプターを装着できる台座が設けられ、簡単にフロントバックなどを装着できるのもポイントとなります。

<Staccato Type Frame>

またGravelという不整地でのコントロール性、Urbanという街中での運用性を如何に高めるのかという課題をクリアしたのも今回のシリーズとなります。フレームはスタッカート型を採用しトップチューブがスローピングすることでスタンドオーバーハイトを大幅に下げています。これにより適応身長は150cm台前半から無理なく乗車することが可能となりました。

(ちなみにスタッカートとは連続していない事を示す音楽用語が語源でトップチューブがシートステーと連続性が無い状態のフレームとなります)

<SPEC>

Frame: Reynolds 520 Steel

Fork: Original 4130Cr-Mo Steel

Headset: 34mm press-fit EC

BB: BSA 68mm threaded

O.L.D.: F/100 R /142 through axle 12mm

Break mount: Post mount disk break

Wheel size: 406 20inch