FilMelangeは日本のカットソー専業のブランドで、ミリタリーやトラッド、アウトドアのヴィンテージをイメージソースにして、上質な天然素材のみを使用して、スウェットやTシャツなどのカジュアルウェアに落とし込みをしています。
2007年のデビュー時は日本には高品質の原料を使って、カジュアルなモノづくりをするといったブランドはあまり無く、ファッション業界ではかなり話題になりましたが、そこから15年以上経った今では日本製やオーガニックコットンを使用し、高品質を謳うブランドは数多く増えたように感じます。
では、FilMelangeが他のブランドと違う点はどこか。
それは、洋服の原料であるコットンやウールなどの素材を選び、その原料を柔らかく、美しい生地に編み立て、デザインからパターンメイキングなど洋服になるまでの全過程を自社で行っている点です。
通常ではより細番手の糸にできるような高品質の原料を、スウェットやTシャツのような太番手~中番手の糸に紡績すると、滑らかで、しなやかな糸ができあがります。
そうして紡績された上質な糸を、吊り編み機や、シンカー機の中でも旧式の物を使用したり、編み機の針の数から指定して機械を調整してもらうなど、細部にまでこだわり、美しく、柔らかい生地へと編み立てています。
触ってみると全てが気持ち良くて、逆にそれが当たり前になってしまっている、FilMelangeの素材の気持ち良さですが、そういった背景が隠されているのです。
REではトラッドを背景に持つファッションアイテムを数多くリリースしており、23AWにFilMelangeが新素材として提案を行っていた英国羊毛であるシェットランドウールを使用したニットに注目をして、別注を行わせて頂きました。
シェットランドウールとは、スコットランドの北部にある、「羊の島」という意味から名付けられたシェットランド諸島に生息する羊からとれるウールです。
厳しい冬の寒さや湿度の高い天候に耐えられるよう、高い保温力と柔らかいながらもしっかりとした弾力があり、1頭から得られる産毛量が少ない大変希少なウールです。
シェットランドウールを使用したニットで世界的に有名なブランドは、INVERALLANやJAMIESON'Sなどでしょうか。
漁業にでる漁師達に使用されたり、ウィンザー公に愛用されたりと、厳しい環境の中で着用される実用的な防寒具としても、ファッションアイテムの欠かせないアイテムの1つとしても昔から重宝されてきました。
今回のシェットランドウールはカムバック種という原料の糸を使用しています。
メリノ種とシェットランド種を交配し、メリノ種の柔らかさとシェットランド種の弾力とハリの良いところを掛け合わせていきます。
シェットランドウールの特徴を残しつつ、メリノ種の特徴が強く出た、肌に刺さるような感じが少ない原料になっています。
また、スラブ糸(それぞれRED,BLUE,WHITEの糸)とシェットランドウールの杢糸を交撚して編み立てている為、複数の色が混ざりあい、表情に奥行きがでるように工夫しています。
原料や糸の選定で柔らかさと膨らみを出し、編みたてる段階で生地の表情に奥行きをつけて、単調に見えないよう、ふっくらした面構えと着心地を楽しめるようにデザインをしています。
秋にはシャツなどの上に合わせて頂いたり、冬にはスウェットの上に重ね着をしたり、襟高が高いのでコートのインナーからネック部分を覗かせたりなど、長いシーズン楽しんで頂けるかと思います。
是非、商品ページよりご覧になってみて下さい。