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CICLORE Mini Velo Gravel

CICLORE Gravel New series story

2025.09.13
CICLOREのバイクは標準的な規格で構成しながらも独創的な設計思想でデザインされています。2025年より日本での車体販売がスタートし、実際に車体に触れて頂く機会も増えてきていますが、まだまだブランドとしてお伝えしたい事が沢山あります。今回のコラムはCICLOREのラインナップの末っ子Around Gravel modelについてお話しします。


標準仕様  カラー/Orange Peel 
カスタマイズ例  カラー/Blue Moment 


2025年より日本での車体販売がスタートしたCICLORE、実際に車体に触れて頂く機会も増えてきていますが、まだまだブランドとしてお伝えしたい事が沢山あります。今回のコラムはCICLOREのラインナップの末っ子Around Gravel modelについてお話しします。


<オリジナルデザインへの敬意>

かつて70年代の終わりに自転車を山に持ち込みトレイルやダウンヒルを楽しむ若者がアメリカ西海岸に現れました、そして彼らは後の時代にマウンテンバイクと呼ばれる新しいカテゴリーの自転車を生み出します。ヒッピーやDIYカルチャーに精通していた彼らは既存のカテゴリーを超えて自由な発想で遊びを生み出し、この中で生まれたマウンテンバイクは時代と共に様々な工夫がフレームに取り入れられ進化することになります。現在では特に90年代前半頃までに製造された金属系の車体を「OLD MTB」としてカテゴライズして世界中に愛好家がいる状況となっています。


ファッションの世界は一定の周期で流行が繰り返されますが、REは自転車に於いても過去の銘品や失われていたデザインを復活する事に積極的に取り組んでいます。それは単純にノスタルジーではなく、かつて生み出され必要十分な機能性に加え独創的な美しさを纏うオリジナルプロダクトの再評価と再デザインを目指しているとも言えます。このアプローチはバイクデザインの復古運動と言えるかもしれません。


90年代初頭の雑誌より抜粋、様々な形状のフレームを確認することができます


<Loop Tail>

このようなデザインアプローチの中、Around Gravelには初期のマウンテンバイクからインスパイアされたディテールが取り入れられています。その一つがLoop Tail、一本のパイプをまげて作られた一体型のシートステーとチェーンステーとなります。


90年代初頭のYETIバイクのLoop Tail 
Aroundシリーズで新たに採用されたLoop Tail


Loop Tailが採用された80年代後半から90年代前半当時、フレーム素材はクロモリやアルミが中心であり、悪路で車体への負担が集中するリアエンドの形状は各社がトライ&エラーを繰り返し様々な工夫とデザインが登場した時代となります。その流れの中で数社のアメリカンブランドはBMXで一般的であったLoop Tailを車体に取り入れ強度の確保を行いました。


Around Newシリーズは品質の高いReynolds社製のクロモリ素材を採用しており、乗り心地と強度確保を両立しています、開発初期段階にこのクロモリの特性を活かすデザインを模索する中でLoop Tailの復活を目指すことになりました。スルーアクスルやポストマウントディスクブレーキと最新のスペックを取り入れながらOLD MTBの様なLoop Tailと合わせるデザインは専用設計と様々な試作を行い、製造にあたっては工場の多大な労力を必要としましたが、最終的に強度、乗り心地、ビジュアルどれをとっても素晴らしいフレームが出来上がりました。


<Staccato Type Frame>

Gravelという不整地でのコントロール性の向上、また街中のカジュアルウェアでも如何にストレス無くライドできるのか?という課題をクリアしたのも今回のシリーズとなります。フォルムはスタッカート型を採用しトップチューブを大きくスローピングさせることでスタンドオーバーハイトを下げるデザインとなります。これにより適応身長は150cm台前半から無理なく乗車することが可能となりました。


今回のスタッカート形状はフレームの過剛性を解消しバランスを最適化する効果もありました


<Buddy>

Aroundのコンセプトは一番身近な相棒「Buddy」となります。20インチのミニベロは漕ぎ出しが軽く街中での取り回しもし易いサイズとなり、気軽に跨って走り出すことができます。一方でミニベロとしては大き目なタイヤサイズのおかげで走行フィールは思いのほかスポーティーでもあります。

Gravelで採用されたカラーはフィールドの中で映えるOLD MTBを意識したカラー、また最も重要なブレーキに関しては妥協無くTRP製の上位メカニカルSPYREを採用し、メインコンポーネントもShimano Tiagra 10sとスポーツ性能を追求した仕様に。

ヘッドチューブには市販の小径車用フロントバックアダプターを装着できる台座が設けられ、簡単にフロントバックなどを装着できるのもポイントとなります。


TRP SPYRE Break 
ヘッドチューブに設けられたフロントバックアダプター



Frame: Reynolds 520 Steel

Fork: Original 4130Cr-Mo Steel

Headset: 34mm press-fit EC

BB: BSA 68mm threaded

O.L.D.: F/100 R /142 through axle 12mm

Break mount: Post mount disk break

Component: Shimano Tiagra 10S

Brake: TRP SPYRE mechanical disk

Wheel: Original 406 20inch

Tire: 20 x 2.125 Skin side


Color: Orange Peel / Blue Moment


Price: 198,000円(税込)