RECCとは、RE CYCLING CLUBの略で、不定期でRE BEIJINGのスタッフとお客様が一緒に自転車の魅力に触れる事ができるライドイベントを開催しています。
今回は、中国最西端に位置する新疆カシュガルへ6泊7日の旅へと出かけました。
カシュガルは、北はロシアやモンゴル、南西はインドと接する場所に位置し、北京から4,000キロも離れていて飛行機で5時間のフライト時間が掛かってしまいます。
北京街が通勤ラッシュを迎える頃、まだカシュガルはまだ夜明け前となります。この地域は中国西部の異国情緒を色濃く残しており、カシュガルに足を踏み入れて初めて新疆を訪れた事を実感できるという人もいます。
また文化的な風情に加えて、カシュガルの自然風景も格別なものとなります。カラコルム・ハイウェイ沿いに目にする湖、氷河、雪山、湿地帯は見る者に深い感動を与えます。
パミール高原に有る幻想的な湖である白沙湖は蒼白い砂漠とターコイズブルーの湖水で構成されていて、周りの雪山に抱かれるように静かにその湖面を湛えています。
氷河の父という異名を持つミュスターグ峰、その様子はまるで銀色の髭をたなびかせているかのような逆さ氷河となり、周辺のオアシス群を静かに養っています。
谷に沿って旋回する龍を思わせる見事な磐龍路を抜けると、その距離僅か30キロに満たない山道が600ものカーブを描き、標高は3000メートルから一気に4200メートルまで急上昇します。
景観と共に危険で険しい峡谷、荒れ狂う河、これが西遊記で三蔵法師が西域の経典を求めて旅した塔莎古道です。
生命の儚さと強さ、自然の偉大で威厳のある姿をこの八百路の古道を通じて強く感じる事が出来るのです。
海抜4733メートルに位置する世界一標高の高い国境検問所となる紅其拉甫があるこの土地はその過酷な自然環境のために「死の谷」と呼ばれており、
年間を通して風速20m前後の強風に晒されています。
このコラムではREがサイクリングクラブRECC (RE CYCLING CLUB)メンバーを中心に行っているライドイベントなど中国サイクリングシーンの現在を発信してまいります。
日本の外で繰り広げられる様々な自転車のシーン、特に中国のシーンは日本からは窺い知ることが出来ません。
REがその覗き窓の役割として現地のサイクリスト達がどの様に自転車生活を楽しんでいるのかをお伝えできればと思いますので、今後も私たちの活動に関心を寄せて頂ければ幸いです。
以下、細かい旅の日程を記載しておきますのでご興味ある方はご覧ください。
旅程スケジュール
時間 | 場所 | 項目 |
DAY1 | 北京——カシュガル (Kashgar) | |
DAY2 | 白沙湖 (Baisha Lake) | 90KM / 2500M UP |
DAY3 | 慕士塔格 (Muztagh Ata) | 125KM / 1000M UP |
DAY4 | 盘龍古道 (Panlong Ancient Road) | 96KM / 1600M UP |
DAY5 | 塔莎古道 (Tashakulgan-Shache Ancient Road) | 82KM / 1100M UP |
DAY6 | 紅其拉甫 (Khunjerab Port) | 100KM / 1300M UP |
DAY7 | カシュガル (Kashgar) —北京 |
ライド日数 5日間
総走行距離 493KM
総獲得標高 7500M UP
DAY1:北京—カシュガル (Kashgar)
集合後、空港へと移動。航空便でカシュガルへと向かい、ホテルにチェックインして古城カシュガル観光を自由に楽しみ、初日は終了です。
DAY2:白沙湖 (Baisha Lake)
カシュガルから出発し、カラコルム・ハイウェイに沿って徐々に高原へと向かいます。
標高1,600メートルから3,200メートルまでゆっくりとヒルクライムし、白沙湖に到着します。
カラコルムの道路は、世界で最も美しい道路として知られていますが同時に「世界で最も危険なハイウェイ10選」にも選ばれています。
中国領内の最低標高1,154メートル、最高標高4,733メートルです。
DAY3:慕士塔格 (Muztagh Ata)
白沙湖からはカラコルム・ハイウェイに沿って南下し、前半は登り基調、後半はクルガン県まで下りが続きます。
平均標高3,500メートルのクルガン県には、中国で唯一のヨーロッパ系人種であるタジク族が代々暮らしてきました。